この連載では、ヘルスケアアプリ『あすけん』管理栄養士の道江美貴子さんに、多忙なエンジニアでも気軽に始められるヘルスハック術を教えてもらいます。ヘルシーなエンジニアライフは、食生活の見直しからスタートだ! 株式会社 asken 執行役員 管理栄養士 道江 美貴子(みちえ みきこ)さん 女子栄養大学栄養学部卒業後、フードサービス大手の(株)グリーンハウスに入社、これまで100社以上の企業で健康アドバイザーを務める。2007年、事業立ち上げに参加した『あすけん』は、栄養士のアドバイスが受けられるダイエットサポートサービスとして、280万人以上が利用する国内最大級のサービスに成長。現在、『あすけん』の事業統括責任者を務めるかたわら、テレビ・雑誌の出演や栄養監修等、幅広く活躍中。著書『 なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?
アメリカでは、数年前に「砂糖税」が導入された。複数の州や地域でこの税制が採用されたことにより、消費する砂糖の量についてアメリカ人たちの意識が高まっているという。砂糖の摂りすぎが良くないことはわかっているけれど、もし砂糖断ちをしたら体にどんな変化が生じると思う? 栄養士のジェナ・ホープさんが、そんな疑問に答えてくれた。 1. 肌質が良くなるかもしれない その理由は、砂糖をやめると体内のインシュリンの量が減ることにあるらしい。ジェナさんによると、砂糖を摂取すると体内でインシュリンが分泌され、これによって炎症が起こり、肌を形成する成分であるコラーゲンとエラスチンが分解されてしまう可能性があるそう。また、砂糖が消費されるときに糖がコラーゲンと結合。砂糖の摂取量が過剰になると、コラーゲンの機能に悪影響を及ぼし、皮膚疾患やしわのリスクが高まるとか。逆に言えば、砂糖を食べなければ、そのようにはならないということ。 2. 体力がアップする可能性がある 「糖分を多く含む食べ物は、GI値も高いんです」と話すジェナさん。つまり、体内で高スピードで分解され、血糖値が急上昇するということを意味している。すると、体のエネルギーレベルも上昇するのだけれど、インシュリンが糖分を血液から吸収し、細胞に取り込むときに体力がどっと落ちてしまうそう。また、低血糖状態になると体がエネルギーを必要とするため、結果的に砂糖を欲するという。栄養士であるジェナさんは次のように解説する。「砂糖への依存を克服すれば、体力が一日で急上昇したり、急降下したりすることがなくなるので、安定して快適でいられます。血糖値のバランスを取るためには、間食として、たんぱく質とヘルシーな脂肪分を豊富に含むものを選ぶとよいでしょう」 3. 体重が減るかもしれない 必ず減量ができると保証されているわけではないけれど、砂糖の摂取量を大幅に減らすことが、減量につながることが多いそう。「砂糖はエンプティカロリーを供給し、グレリンという空腹ホルモンを刺激するので、食欲がアップします。そうなると、食べすぎるリスクが高まり、満足感が長時間持続しない食べ物を欲しがってしまうのです」と、ジェナさんは解説する。また、紅茶やコーヒーに砂糖を入れる習慣がある人は、知らず知らずのうちにカロリー摂取量が増え、糖分を蓄積している傾向に。スプーン2杯分の砂糖を入れた紅茶を毎日3杯飲む場合、プラスで92kcal分も余計に摂っていることになるとか。「この量は、1日のカロリー摂取量の5%近くに相当します。これを無意識に摂っているのが問題ですね。これは砂糖24gになるのですが、1日当たりの砂糖の推奨摂取量が30gであることを考えると、かなりの量といえます。砂糖の摂取量を制限すれば、エンプティカロリーの摂取量も減るため、血糖の急激な上下がなくなり、砂糖を摂りすぎるリスクを軽減できます」 4.